復帰基準

ここでは、復職名人における、復帰基準について説明します。

復職名人における復帰基準

復帰基準は、単に「働ける」状態ではなく、労働契約に基づく債務の本旨に沿った、完全な労務提供ができることと定義しています。なお完全な労務提供とは、下記の「通常業務」と同義です。

(復習)通常勤務とは

以下の3つを守って働いている状態を「通常勤務」と考えます。

業務面 業務遂行パフォーマンスという意味で、仕事ができているか。具体的には、業務の質・量ともに、求められる水準に達しているか。
勤怠面 職場のルールを守って仕事をしているか。具体的には、服務規律(就業規則)等を守って、勤怠の乱れなく仕事をしているか。
健康面 就業に支障のある健康上の問題はないか。業務遂行によって健康上の問題は生じないか。

業務基準|元の職場で以前と同じように仕事ができること

業務遂行に関して、事業運営上必要とされる部署で、必要とされる業務を、必要とされる水準で行うことを求めます。
 なお復帰の際は、元の職場、元の職位、元の職務(これらをまとめて原職と呼んでいます)への復帰が原則です。復帰時の一部業務の免除や異動は、完全な労務提供とは言えないため行いません。
 また、業務の効率という面では、当初2カ月は職位相当最低8割以上、2カ月以内に職位相当10割になることとしています。ただし、復帰基準そのものは職位相当10割です。最初の2カ月は8割以上でいいというのは、あくまで最初の2カ月間は経過観察をしていて、8割を下回っていなければ、直ちに再療養にはしないということです。

労務基準|原職場の職務を遂行するにあたり、服務規程を守ることができ、就業態度に問題がないこと

労務管理の観点から、他の従業員と同じく、定時勤務を所定労働日数行うことを求めます。勤務時間の短縮や、遅刻・早退・欠勤などの勤怠上の乱れがある状態は、完全な労務提供とはみなせないため行いません。
 なお、復帰後当初1カ月は時間外をゼロにする配慮を実施します。続く2カ月目については、上司による通常の労務管理の中で段階的に負荷していきます。
 また通院への配慮について、本来有給休暇を取得する際には、部署の運営に支障がないよう申し送りするのが前提ですが、これを免除します。この配慮も1カ月のみ行います。

健康基準|健康状態を理由に業務遂行ができないことがないこと、あるいは業務遂行によって健康状態が悪化するとはいえないこと

この基準は、従来の復帰基準と大きく変わらず、一般的かもしれません。ですが重要なのは、他の2つの基準と同列にあるということです。つまり、主治医から「復帰可能」という診断書が出ても、残りの二つの基準を満たしていると判断できなければ、復帰可にはなりません。

各基準を誰が判断するか

人事や上司には、本人の健康状態を判断することができないのと同じように、医者には、職場の制度や本人の働きぶりなどを十分に把握することできないため、業務基準や労務基準に関して意見をすることは難しいと言えるでしょう。医者が自信をもって判断できるのは、当該従業員を働かせても問題ないか、という点に限られます。より明確に言えば「働かせると病状が悪くなるから、働かせないほうがよい」、つまりドクターストップするかどうかという判断に限られ、働かせても悪くなることはないという保証は当然できません。
 そのため、業務基準と労務基準は、会社側の人事や上司が主体的に判断するほかありません。この点について、不安に思われるかもしれませんが、日ごろの採用面接では同じようなことを行っているはずです。つまり、医者の意見に頼ることなく、業務ができそうか、職場のルールを守って働けそうか、ということを判断しているでしょう。もちろん復職可否は、何の根拠もない中で、判断することは難しいので、次節以降で紹介する手順と様式を活用することをお勧めいたします。

各基準の判断主体

  判断者 判断材料
業務基準 上司(+人事) 療養・復帰準備状況報告書、復帰準備完了確認シート、面接時の本人の発言など
労務基準 人事
健康基準 主治医・産業医 主人時、面談時の様子など

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