お知らせ

人工知能を活用した復職判定支援ツールを用いたモデル事業

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野では、「人工知能を活用したメンタル休職者に対する復職判定支援ツール」を用いたモデル事業を実施することとなりました。
 つきましては、モデル事業参加企業を募集するため、下記の通り説明会を開催いたしますので、ご多用中のところ恐縮ではありますが、皆様には是非ご参加くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
 なお、研究の概要(および今後の進捗)については、下記をご確認ください。

説明会詳細

日時

  • 2022年2月7日(月) 14時~15時
  • 2022年2月18日(金) 14時~15時
  • 2022年3月2日(水) 14時~15時

(同じ内容になりますので、ご都合の良い日程をお選びください)

方法

Zoomによるオンライン開催

申込方法

以下のフォームからお申し込みください。


モデル事業の詳細

人工知能の活用として、すぐに思い浮かぶものとして「コンピュータ将棋」を挙げられる方は少なくないのではないでしょうか。一頃までは、チェスではコンピュータが勝っても、将棋は複雑だから、まだまだ人間のプロ棋士の方が優れているといった印象もありましたが、いまやプロ棋士もAIを上手に活用する時代になったと言えそうです。ところで、コンピュータ将棋はどうやってこのような躍進を遂げたのでしょうか。秘訣は、いたってシンプルで、過去の名人たちの膨大な棋譜を、いま目の前にある盤面と比べて、なるべく似たものを探し出す。そして、昔の棋譜で指された、「次の一手」を指すというものだと言うことです。

 ところで、職場におけるメンタル休職者に対する復職判断へのコンピュータの活用は遅れていると思いませんか。対応のための理論を構築したり、あるいは、復職までの手順をマニュアル化して、療養報告などの様式により必要な情報を定型的に収集する仕組みによって復職判断を少しでも容易にする試みを、岡山大学でも行ってきました。もちろん、システム化も一定程度は実現できたものと考えてはいますが、こうしたアプローチは、現状の(属人的な)復職判断に強い問題意識をもっている企業にしか訴求できないところがありました。ここには復職判断は医師が行うものとの強い思い込みもあり、実際に産業医や保健師などの、いわばプロが判断しているはずなのに、実態として円滑な復職が実現できているとは思えないというギャップへの気付きがなされにくいという背景もあるのかもしれません。

 また、近年では対応事例を多く紹介する書籍やインターネット上にも対応事例集のようなものが整備されるなど、自分の手で主体的に「似たような事例」を探すことは可能にはなってきました。ところで、どれが似ているのか、一見似ているように見えても、参考にしてよい事例なのかどうなのかなどの判断は、やはり属人的なままであることにはかわりありません。そこで、本モデル事業では、過去の事例を整理し、その後の復職達成という観点から「事例の類似性」をAIに判断させ、みなさんが目前で困っている状況について、500文字程度の「相談内容」を入力してもらうことで、「似たような事例」と対応方針、その後の経過を提示することのできるシステムの開発を進めています。現時点の到達点としては、AIによる学習が完了し、「相談内容」に対して、3、6、12ヶ月後の復職確率を表示させるところまで完成しています。来年度の早い段階において、当初の想定である「似たような事例」の提示ができる目処がたったことから、今回、モデル事業実施のための説明会を開催する運びとなりました。

 なお、モデル事業の詳細につきましては、Zoomによる説明会にご参加いただければ幸いですが、二段階でのご参加を想定しております。第一段階は、「似たような事例」の提示ができるシステムの準備ができ次第、都度の細かい登録などはなしで、システムを試用いただけるようにします(フォームから「情報提供を希望する」にチェックをお願いします)。第二段階としては、より積極的なご参加をいただくため、研究協力にかかる協定を締結させていただき、システムではうまく対応しきれない、ご相談事例に対する対応方針、その後の対応に関する支援についてもAIではなく、研究者自身によるサポートを行わせていただきます。いずれの場合も、提供いただく相談内容は、個人情報などを加工のうえ(もとより入力いただく必要はありませんが、残っている情報があったとしてもAIによりマスキング処理します)、AIの学習に利用させていただくことが前提となります。

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