よくある事例をご紹介します。従来型の手法と「復職名人」との比較にお役立てください。
事例の経緯
療養中の対応
療養開始から1年後
復帰後
復職名人による対応は?
今後への教訓
日常生活に支障がなくなってきたというタイミングでの復職は、時期尚早と言わざるを得ません。元職位・元職場・元職種への復職を大前提とし、通常勤務できるようになるまで、復帰準備を進めさせます。
また職場は働く場所です。福祉の場ではありません。厳しい言い方になりますが、「経済的に苦しいから、仕事がほとんどできていない状態でも、職場復帰や就業継続を認める」という対応は、職場で行うべきではないのです。
なお、こうした対応を産業保健スタッフに丸投げせず、人事主導で行います。
【本人と職場の一般的な認識の相違】
この事例への対応
この事例を、今の状態から劇的に改善することは困難です。そのため、再度療養に専念させて、通常勤務ができる状態まで療養・復帰準備に取り組むことを求めます。
具体的な流れは、①状況を直ちに改善させて通常勤務をするか、②それとも病気が理由にそれが難しいので療養に専念するか、この2択で本人に選択してもらいます。
①を選ぶ場合には、通常勤務ができることが前提となるので、職位相当の業務を適切に命じ、また勤怠の乱れについても指導します。
これで通常勤務ができれば良いのですが、なかなかそうはいかないので、もう一度上記の選択を迫り、「前回通常勤務ができると言っていたのに、結果としてできなかった」ことから、②を選択することをより強く推奨します。
この流れを繰り返し、徐々に家族等も交えながら対応を進めていけば、程なく再療養に至るはずです。