case.3|主治医の診断書に従い復職を認めたが通常勤務ができず、他の社員の業務量が増加

よくある事例をご紹介します。従来型の手法と「復職名人」との比較にお役立てください。

事例の経緯

療養中の対応

Cさん
中途入社した後、すぐにうつ病になって休職してしまいました。会社には保健師が常駐しており、フォローは産業保健部門が担当してくれています。
保健師
月一回診断書の提出の際に面談を行っていましたが、病状が良くなる兆しがありません。人事に対して、「Cさんの休職は長引きそうだ」という報告を上げました。

療養開始から1年後

Cさん
療養が1年経ったある日、いつもと変わらない様子で診断書を提出してきました。その診断書には『復職可能』と記載されていました。
人事・上司
詳しい話を聞くと、「生活リズムが整い、日常生活にも支障がなくなってきた」、「傷病手当金の受給期限も迫っており経済的な問題も出てきているので、そろそろ復職したい」という回答でした。

復帰後

人事・上司
面談時の様子では、Cさんは到底復職できそうになかったのですが、『復職可能』という診断書が出ているので仕方なく復職を発令しました。
Cさん
復職後もやはり順調には業務を遂行できず、「体調が万全でないのでこの仕事はできない」、「焦ると病気が悪くなるので、マイペースに仕事したい」と主張します。
人事・上司
指示に従わず、仕事をしてくれない、さらに突発的に「腰が痛い」といって欠勤することがあり、困り果てています。次第にCさんに仕事を割り振ることはなくなり、代わりに同僚の業務量が増えてしまいました。

復職名人による対応は?

療養中の対応を産業保健スタッフに丸投げせず、人事主導で行います(このように書くと、手間ばかりが増えて大変そうだと思われるかもしれませんが、実際には本人から提出された書類をもとに判断し、ほぼ自動的に結論を出すことができるので手間はあまりかかりません)。
また日常生活に支障がなくなってきたというタイミングでは、復職は時期尚早と言わざるを得ません。元職位・元職場・元職種への復職を大前提とし、通常通り勤務できるようになるまで、復帰準備を進めさせます。

【本人と職場の一般的な認識の相違】