今回は2つのテーマを取り上げました。1つ目は、週1報告の記載頻度は維持しつつ、提出を月1回にまとめる簡易運用モデルの提案、2つ目は、専属産業医が他社の嘱託産業医を兼務することの可否について、法令・通達をたどりながら議論しました。
告知
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近況報告
- 高尾:アバルト595が納車されました。
- 前園:「連絡は産業医に限る」とワコール事件。
- 森:ウイスキーの飲み方を、ストレートからトワイスアップに切り替えました。
議論した内容
週1報告の「月1提出」モデル
- 休職者が多い大規模企業では、週1報告の受領・処理の事務負荷が導入の障壁になっている。
- 本人には週1回の報告書記載を継続させつつ、4枚まとめて月1回提出させることで、会社側の事務作業量を大幅に軽減できる。
- 記載頻度を週1に維持する意義は、療養中の感慨と増悪の波を捉えるため。月1回のまとめ書きでは、良い時期だけ・悪い時期だけを選んで書くバイアスが生じやすい。
- まとめて書いたかどうかは報告書の内容やペンの変化から概ね判別可能だが、仮にまとめ書きであっても、4週分を正確に再現できる能力自体が一定の回復を示している。
- 復帰準備期後半に入ったら、提出頻度を隔週→週1に戻し、復帰タイミングの遅れを防ぐアレンジが必要。
生活記録表との比較
- 生活記録表は「何時に起きたか」「何をしたか」という医療的アプローチであり、復帰準備に必要な「業務遂行能力の回復」を読み取ることができない。
- 週1報告は業務的アプローチであり、事務担当者でも内容を理解でき、復帰基準の充足度を確認できる点で優れている。
- 生活記録表を週1報告とセットで求めるハイブリッド運用は、本人にとって「会社のためなのか自分のためなのか」が曖昧になり、不信感を招くリスクがある。
- 生活記録に基づく支援を行うなら、復帰準備期に本人の希望を確認した上で、週1報告とは明確に分けて運用すべき。
専属産業医の兼務要件
- 「専属産業医が嘱託産業医を兼務することを禁止する規定はあるか」という質問が多いが、禁止規定がないからやっていいという解釈は法の趣旨に反する。
- 専属産業医の根拠規定は、安衛法第13条→施行令第5条→安衛則第13条第1項第3号と、政令省令委任の構造をたどる必要がある。
- 「専属」の定義は法令上明文化されていないが、行政解釈では衛生管理者の規定に準じ、「その事業場のみに所属し、もっぱらその業務に従事する」と解されている。
- 通達(基発)により、グループ企業の嘱託産業医を兼務できる例外要件として、地理的近接性、合同安全衛生委員会等の設置、労働態様の類似性、対象労働者総数3,000人以内が定められている。
- 禁止されていないからやってよいのではなく、制度の趣旨を踏まえて自ら判断できることが、専門家としての産業医に求められるスキルである。
編集後記
高尾
「岩盤規制(新潮新書)」を引用して、法令の定めに対して、通達で例外を設けることのイレギュラーさを説明する研修も作成していますが、専属産業医の兼務問題も同じ面がありますね。
通達は以下が最新でしょう。地理的要件は削除されたけど、(1)労働衛生協議組織、(2)業態の類似性、などを勘案するとほとんどの兼務は正当化されないでしょう。
https://naras.johas.go.jp/wp-content/uploads/2021/04/aaaa.pdf
前園
お医者さん界隈も、「常勤」「専任」などの言葉が飛び交う複雑な業界ですね。あまり弁護士とクライアントとの関係では聴かないかもしれません。
一方で、弁護士には、利益相反関係には非常に厳しい規制がありますので、この点については皆、とても慎重です。
元請と下請の代理人を兼ねたりすることも控えることも多いですが、もし兼ねるとしても、事前説明や同意、いざとなったときの辞任など、適切な対応が求められています。
森
AIチャットボットは、今のところAPI料金も跳ね上がることなく済んでいますので、どんどんお使いくださいませ。
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