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合宿2日目の夜に行ったライブ配信の音源を再編集したものです。質問への回答を中心に、踏み込んだ議論をしました。
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■美術鑑賞と芸術の捉え方(雑談)
- MOA美術館を訪問。高尾先生は和物が多くてつまらなかった。モネなどの印象派作品の見方との比較。
- 葛飾北斎の絵は余白の取り方が巧み。街並みや船の描写は写実的だが、富士山の描写は写実的ではない。
- ゾノ先生は個々の作品より、美術館の空間全体やライティングに注目し、空間設計から学んだ。
- 西洋美術は文脈(アンチテーゼ)があるのに対し、東洋美術は思いつきの行き当たりばったりな個性派という印象。
- 芸術鑑賞は脳のシナプスを繋げ、「なんだこれ」という疑問が思考の発達に重要。
■議論した内容
- 会社で働く能力の回復への助言のあり方
- 産業保健師や会社が、従業員の能力回復を直接助けるという表現は不適切。
- 能力回復は本人が行う。会社や産業保健は適切なフィードバックやきっかけを提供する役割。
- 療養専念期から復職準備期、復帰基準に対するフィードバックが重要。
- 助言で回復に誘う経験は、本人のキャパシティに助けられた偶然(フロック)の可能性がある。ゴルフの例えで説明された。
- 従業員自身の早く復帰したいという真なる意欲が、能力回復の鍵。
- 復職準備状況の確認方法(多分働けると思うという連絡に対して)
- 「多分働けると思う」という曖昧な表現では不十分。会社は具体的な説明を求めるべき。
- 「主張立証責任」のような裁判用語は避けるべき。従業員が復帰基準を満たすと判断できる材料の提供を会社が求める。
- 会社は復帰基準を明確に定め、従業員に周知する。
- 就業制限解除のタイミングとストップ要件の運用
- ストップ要件の解除タイミングはあらかじめ決めておくのが基本。ただし、一部の「モンスター社員」には永遠に解除しない態度も必要とされる場合がある。
- 産業医学的ストップ要件には合理的な期限があるが、上司の判断要件は継続し得る。
- 「いつまで適用されるか」という問いには、「いつでも適用される」という姿勢がベター。一部従業員によるルール悪用防止のため。
- 復職準備としてのボランティア活動の評価
- ボランティア活動は、「やりたいことをやる」感覚が強く、復職準備に必要な規律性にはそぐわない。
- 指揮命令下に入らず、対価も発生しないため、労働契約との関係で労務提供義務を果たす準備とは評価しにくい。
- 企業側は、ボランティア活動を復帰準備として評価することに非常に慎重な態度が適切。
- 誠実に復帰準備をしている従業員からは、このような報告は来ないことが多い。
- 健康診断結果が改善しない社員への対応(就業制限・休業検討)
- 会社が設定したルール(例:3ヶ月で改善傾向がなければ休業検討)は、運用できないなら定めるべきではない。
- 従業員が休業に抵抗する場合、会社側に賃金請求権の問題が残る。
- 即座に倒れるリスクがあるごく一部の健康状態(例:血圧の極端な高値、結核疑い)以外は、強制的な休業には慎重な対応が必要。
- 会社は基準の合理性を明確にし、誰にでも一律に適用できる運用体制を築くのが重要。
- 産業医は個別の事案ではなく、基準値設定の段階で意見を出すことで、会社の方針に合理性を持たせるべき。
- 過剰配慮はしないルールへの移行と従業員への伝え方
- 過去の過剰配慮から過剰配慮はしないルールへの変更は、世間の情勢変化を背景に今が伝える唯一のタイミング。
- 従業員が完全労務提供できている今のうちに、今後のストップ要件などを明確に伝えるべき。
- 人事担当者が伝えることに躊躇するなら、動画などを活用した会社のルール客観的周知も有効。
- 産業医との情報共有のあり方
- 嘱託産業医との関係は、会社が方針を決定し、産業医がその方針を理解・協力する立場である。
- 従業員が人事ルートではなく産業医に直接相談を持ちかける場合、情報共有の必要性が発生し得る。
- 日本の産業医業界は、中央省庁のガイドライン重視からチャレンジ精神に欠ける傾向がある。
- 労働安全衛生法は、生活習慣病など従業員自身がコントロールすべき健康管理の文脈では時代遅れである。
- 多害性のあるメンタル不調者への復職対応
- 同僚や部下への多害行動があった場合、まず懲戒処分を検討すべき。これは疾病の有無に関わらず行う対応。
- 刑事責任や懲戒免責の対象となる精神疾患は極めて限定的。一般的な精神疾患による多害行動は処分対象となる。
- 加害者を被害者の部署に戻すのは避け、左遷的な異動を即日行うのが適切。これは復職原則とは独立した問題。
- 会社が多害行動を放置した場合、被害者のメンタル不調が業務上認定されるリスクがある。
- 自己申告の血圧記録の信憑性と判断
- 従業員の自己申告に疑う合理的根拠がある場合、そのまま信用しない。
- 安易に疑念を抱くのは避け、客観的な根拠に基づいて判断すべき。
- 自己申告制の就業制限は、初回は自己申告を受け入れ、2年目からは医師による測定を求めるなど、段階的な対応が有効。
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