お知らせ

自治体向け令和4年度パイロット事業実施のお知らせ

弊社では、2019年度に岡山大学の協力を得て、自治体を対象とした人事向けメンタルヘルス対応支援に関する共同研究を行い、2020年度からはその成果を事業化しております。この度昨年度に続いて、本事業のパイロット事業を実施することといたしました。
 つきましては、パイロット事業への参加募集にあたり、下記の通り説明会を開催いたしますので、ぜひご参加くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

パイロット事業の概要

1.パイロット事業の目的

この度のパイロット事業は、対応にお困りの実際の事例を解決することを目的として、弊社のメンタルヘルス対応の個別事例対応支援事業の体験していただきます。

2.パイロット事業の内容

パイロット事業では、現在発生していて対応にお困りの事例を共有いただき、その対応方法の助言と、使用するツールの提供を、半年間継続して行います。

具体的には、まず各自治体で発生している事例を、2つ程度情報共有いただきます。
 それに対して、二カ月に一回開催予定の事例検討会(Web開催)にて、具体的な対応方法を助言し、その時々で必要となるツール(様式や面接シナリオ)をご提供いたします。
 その内容に沿って実際にご対応いただき、その後の経過に対して、継続的なフォローを行います。

パイロット事業参加までの流れとしては、まずは下記説明会にご参加ください。
 続いて、後日設定する、個別の質問・相談会にご参加いただき、双方の認識合わせを行います。
 これらを経てパイロット事業へ参加するかどうか決めていただき、お申込みいただきます。なお、パイロット事業は2022年4月から半年程度を予定しております。

3.事業における情報共有と成果物の取り扱い

パイロット事業終了後には、事業成果を報告書としてまとめ、ご協力いただいた自治体に共有いたします。
 また事例検討会には、複数の自治体に同時に参加いただきます。お互いの事例内容や対応方法を情報共有していただくことで、他自治体でお困りの似たような事例について、情報収集の場としてもお役立ていただけます。

4.説明会の詳細

今回は、新型コロナウイルスの感染対策として、オンライン上でのみ説明会を開催いたします。Zoomでのご参加が難しい場合には、下記連絡先まで、ご連絡くださいませ。別の開催方法を検討いたします。

タイムスケジュール

  • 講演1 業務遂行レベルに基づくメンタルヘルス対応 高尾准教授(録画配信)
  • 講演2 メンタルヘルス対応支援サービスのご紹介 講師 森
  • 講演3 パイロット事業の詳細な説明 講師 森

日時

2月28日(月)、3月2日(水)、3月11日(金)各10時~11時

参加定員

各回30名まで

参加対象者

メンタルヘルス対応ご担当の人事課職員様(本事業は人事向け支援のため、産業医・保健師の方単独での参加はご遠慮ください)

開催方法

オンライン会議システムZoomにて開催いたします。

申込み方法

下記フォームからお申し込みください。

特典

説明会へご参加いただきました自治体には、2021年度に実施したパイロット事業の成果報告書をお送りいたします。


2019年度モデル事業の概要と結果

1.モデル事業の概要

2019年度に岡山大学と実施した共同研究では、岡山大学産業医グループが開発した「ルール・業務遂行レベルに着目したメンタルヘルス対応(通称、高尾メソッド)」に基づき、自治体における事例対応支援を行いました。最終的には9自治体の30以上の事例に対して支援を行い、その成果は学会でも発表しております(第93回日本産業衛生学会)。

モデル事業では、共有いただいた事例に対して、標準的な対応方法を助言するだけでなく、実際の対応場面で使用する「面接シナリオ」というツールの作成を支援し、多くの対応困難な事例を解決することができました。

2.参加自治体アンケート結果

モデル事業参加自治体から回答いただいたアンケート結果です。モデル事業全体の満足度としては、5段階評価中、平均で4.9と高く評価されました。特に、他自治体の情報収集が可能である点や、手順と様式および基準に基づいた標準化された対応が可能である点、難渋事例への対応も可能である点について、高い満足度を頂いています。

モデル事業参加前の課題認識

  1. 対応に苦慮するケースや、今までになかった問題事例が発生している。
  2. メンタルヘルス不調者の復職後の再発率が高い。
  3. 休職期間満了が目前となる中で、具体的な対応方法が見いだせていない事例がある。
  4. 対応困難事例への対応方法が分からない(療養中の対応方法、復職支援の具体的な支援の方法、休職・復職を繰り返す職員への対応など)
  5. 復職支援やメンタルヘルス不調者対応がケースバイケースになっていて、ルール化(制度化)されていない。
  6. メンタル病休者が、医師の診断書により休職や職場復帰ができてしまう。
    また復帰後の過度の配慮が続いてしまっている。
  7. 復職後の配慮(業務軽減や異動の制約)により、所属や人事の負担が発生している。

モデル事業が役立ったこと

  1. 復職への流れや休職者がやるべきことが、明確になった点。
  2. 運用実績のある各種様式や、各様式を利用した手順化された対応。
  3. メンタル対応に関する原則的な考え方を教えていただけた。
  4. 健康面での管理を重視していたため、労務・業務面で配慮しすぎていたということに気が付くことができた。
  5. 担当者に対応が任されていたため、担当者が変わる度に、対応方法や説明等が異なっていたが、モデル事業で対応方法を普遍化することで、担当者が変わっても同じ対応、同じ処遇ができる。
  6. 療養中の経過を把握していなかったが、把握することで、復帰のタイミングを計ることができ、「いつの間にか復職」「いつの間にか休職」を防ぐことができる。
  7. 復職基準があることで、本人の判断、医師が行う健康面だけの基準で復帰することがないため、診断書の記入内容に影響されることが少なくなった。
  8. 他市の事例がとても参考になった。
  9. 自分たちだけでは触れることができなかったところまでシナリオ添削支援で加筆いただき、言及することができた。
  10. シナリオを作成して面接をすることで、病休者に対し過不足なく伝えることができ、また一貫した説明を行うことで、振り回されずに対応できるようになった。
  11. 作成した面接シナリオを少し加工することで、通知文となることは事務量の軽減だけでなく、内容を明文化して本人や上司に渡すことで、共通の認識が図れる。

モデル事業参加後により浮き彫りになった課題

  1. 今まで行っていた試し出勤、復職時の主治医面談、復職後の産業医面談について、今後のあり方や、そもそも継続するかどうかについて検討が必要。
  2. 各所属へどのような情報提供を行うか、復職支援へどのように関与してもらうか。
  3. メンタル対応に関して、本人の主張と主治医の診断書のみを基に対応しており、市としての対応方針が明確になっておらず、ケースバイケースになっていることを実感した。
  4. 初期の段階(病休中)から対象者にアプローチしなければならないと感じた。
  5. 職場復帰したメンタル病休者に対し、これまで過度な配慮(業務量や時間外勤務の軽減等)をしていたことに気付かされた。
  6. メンタル疾患職員に個別に対応しすぎている。対応のルールがない、あったとしても詰めていく手法やノウハウが蓄積されていない。
  7. 復職支援や復職後の業務負荷に関する、所属との意思統一が必要。
  8. 家族に関与してもらうことへの抵抗感の払しょくが必要。
  9. 長期療養から復職した職員への対応について、市役所全体が共通認識をもつこと。
  10. 全職員(特に所属長)に対応方法について理解を得ること。
  11. 復職後、職位に応じた業務遂行を行うために各所属からの指導が必要であると考えているが、各所属が「それぞれの職位に応じた業務遂行」(他の職員も含めて)を指導するのに抵抗感を示す。
  12. 労務管理の担当と安全衛生の担当が共通認識に立つことが必要。

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