復職名人で用いる様式の中でも、休職者本人とのやりとりに用いる「療養・復帰準備状況報告書」は、非常に有用です。そのため、こちらの投稿でも、まずは週一報告からの適用をお奨めしています。
では、この報告が困難な時には、どうすれば良いでしょうか。提出困難の中には、いくつかの状態が想定されます。
病状が悪くて提出困難
まず病状が非常に重くて、提出困難な場合(あるいは、主治医からそのようなクレームが寄せられた場合)です。
もちろんこういう場合に、提出を無理することで、病状がより悪化することがあってはいけません。
そのため、そのような場面を想定して、記載免除での提出、あるいは家族代理の提出も認めています。
もとより、病気休職は、従業員・職員としての身分は残るわけですから、手続きを何もしなくても良いというわけではなく、最低限のことはやってもらわなければなりません(傷病手当金等の手続きは、滞りなくできているはずなのですから、週一報告も同じように求めれば良いでしょう)。
記載なしでの提出でも構いませんので、続けてもらいましょう。
中途導入時に本人が提出を拒否する
途中からの導入の場合、あくまでも本人同意に基づいた対応となります。そのため、本人が「提出は嫌だ」と拒否してきた場合に、無理やり提出を求めることは難しいでしょう。
ただ、そういうケースは、他の対応(例えば、復帰準備への取り組みや、復帰準備完了確認シートの提出など)も拒否してくるでしょうから、そもそも今回はメソッドで対応せず、次から対応する、という方法で良いと考えます。
つまり、「わかりました。今回はあなたの考えを尊重します。ただしもし万が一、次に休むことがあれば、その時は会社の指示に従ってもらいます」という説明をしておくということですね。
なお、こうしたケースを心配される方は少なからずいらっしゃいますが、拒否する人はレアケースです。多くの従業員は、人事や産業保健部門が丁寧に説明をした手続きを、拒否するようなことはしません。普通に働いている従業員が、上司からの指示を拒否することがないのと同じです。
中途導入ではないのに拒否する場合
この場合は、手続きなので従わせる、という姿勢が重要でしょう。
休職はそもそも復帰する意思が前提の制度です(つまり、休職期間ぎりぎりまで休んで、退職するつもりである人に、そもそも適用する制度ではない)。その意思表示として、週一報告を位置付けていますので、この提出がなされないということは、そもそも休職発令を維持するか、重大な疑念が生じうる、というものがあります。
以下のようなフレーズで提出を指示しておけば、こうした事態への牽制になるでしょう。
なお、報告書は復職プログラムの一環としてだけでなく、○○さんの復職意思の表明として、大変重要な書類として考えています。今後も引き続き、週1回の報告書の提出について、ご協力をお願いいたします。