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合宿で収録した音源の5本目です。今回はケースへの議論を通して、弁護士の対応アプローチについて深掘りしました。
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■議論した内容
- 産業保健における社員の問題行動への注意指導とハラスメントリスクへの備えについて議論した。弁護士による相談事例の傾向から、ハラスメントと指導の区別、パワハラにならない指導方法が大きなテーマとなっていることを確認した。
- 弁護士の助言は、裁判で負けないための保守的な観点が強く、現場での問題解決とは異なる側面があると感じた。特に、同じ指導を繰り返しても改善しない人への対応策が不明確である点が挙げられる。
- 指導の記録を残すことや書面で指導することの重要性が、弁護士の助言にも見られる共通点である。しかし、弁護士は個別の書面指導に留まり、包括的な「シナリオ」や「パッケージ」としての指導方法は提供していない傾向にある。
- 弁護士の助言が現場でうまく機能しないのは、フィードバックの機会が少ないこと、そして詳細なシナリオ作成にかかる報酬の問題があるためではないかという考察があった。
- 我々の「シナリオ」や「説明動画」といったアプローチは、弁護士の助言から一歩進んだ標準化された対応を目指している。これは個別の問題解決だけでなく、企業全体の仕組みとして導入することを意図している。
- 弁護士が訴訟を見据えた助言をすることで、かえって紛争を避けられない状況を生み出す可能性があるという指摘があった。目の前の問題解決ではなく、「裁判になった時にどうするか」という視点が、かえってトラブルを助長するかもしれない。
- 我々の「シナリオ」は、読む人と書く人を分けることで、指導のニュアンスを排除し、一貫性のあるメッセージを伝えることを目指している。これにより、従業員が会社側の意図を正確に理解し、逸脱行動を抑制する効果が期待できる。
- 「通常勤務ができること」を最終ゴールとし、従業員に改善を促すことが重要であると強調した。決して解雇や懲戒を目的とせず、あくまで労務提供義務を果たす意思と行動を示すことを求める。
- ハラスメント対応においては、被害者の「処罰感情」は、加害者の処分決定において最重要ではないことを明確に伝える必要がある。処分は会社の秩序維持のために行われるものであり、被害者の感情に直接応えるものではないことを理解させるべきだ。
- コミュニケーションにおいて、一度や二度の説明で全てが伝わるという「甘い期待」は避けるべきだ。一貫した、丁寧な、そして繰り返し行われるコミュニケーションが、関係者間の共通認識を築く上で不可欠である。
- 弁護士が提供する助言と異なり、我々のシナリオは再現性が高く、誰にでも適用可能である。多くの場合、問題が解決に向かうが、それでも行動を修正できないケースは、例外として割り切るべきだと述べた。