理論・解説

第二原則|通常勤務に支障があれば療養させるしかない

第二原則は、第一原則で、上司・人事・主治医もしくは産業医のだれか一人でも通常勤務に支障があると判断した場合、最終的には療養導入、あるいは復職判定の場では復帰延期とするしかない、という原則です。

関係者全員が共通認識として持つことが何より重要

よくある困難事例に、人事・産業医は療養が必要と決断している状況にもかかわらず、上司だけが「うちの部署で面倒を見る!勤務時間の短縮や業務の軽減を行う!」と言って、療養導入に賛同していない例があります。

しかし精神疾患の治療は、専門の医師が、専門的な判断の基で適切な投薬も行い、場合によっては入院させて(=本人への負荷を0にする)、ようやく数ヶ月から数年単位で、寛解と増悪を繰り返しつつ徐々に良くなっていく、という非常に困難なものです。
 それを、職場で働きながら良くしようということはかなり難しい対応です。少なくとも、通常勤務を求めながらできることではありません。

誰かが療養導入に賛同していないと、療養導入をさせようとしている人が、まるで悪者のようになってしまいます。それを防ぐためにも、通常勤務に支障があれば休ませるしかない、という考えを、関係者全員の共通認識として持つようにしましょう。

安全配慮義務上もリスクがある

業務に支障があることを認識していながら、中途半端に就業を継続させることは、安全配慮義務における、予見可能性を高め、安全配慮義務の範囲が拡大する対応に他なりません。
 つまり、会社にとって、大きなリスクを抱えた対応と言えます。

役割分担が重要

ただし、療養させるという判断を一人で行うのは、責任が重いのも事実です。そのため、復職名人における対応では、この判断をする人を、上司・人事・主治医もしくは産業医と分けることで、それぞれが役割責任を果たしつつ、かつ責任を分散するようにしています。

-理論・解説